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相続回復請求権とは?

1、 相続回復請求権とは?

実際は、相続人でない人(表見相続人)が、相続人であると嘘をついて、本当の相続人に帰属すべき相続財産を占有している時に、本当の相続人から、表見相続人に対して、不法に占有されている物の返還を請求する権利のことをいいます。

2、 この権利の性質は?

(質問)個々の相続財産の返還を求める時でも、相続回復請求に当たりますか?
(回答)その請求が相続権の侵害を請求原因としていたら、包括的に承継した相続財産の一部への回復請求と言えますから、相続回復請求に当たります。

3、 この権利の適用される範囲は?

最高裁判例は、相続回復請求権の「被告」は、表見相続人に限るとしています。
そして、本当の相続人が相続権を有していることを知っている者や、自分に相続権があると他人に信じてもらえるような合理的な理由のない者は、相続人であると主張していても、本当の相続人との間で相続権の帰属問題について争う者とはいえないとして、表見相続人から除いて、相続回復請求権の適用を排除しています。

(質問)共同相続人間の相続の争いに相続回復請求権の適用がありますか?
(回答)自分の相続持分を超えて相続財産の占有及び管理をして、他の真正共同相続相続人の相続権を侵害している時には、相続財産回復請求権の適用がなされます。
ただ、自分の持分を超えている部分の相続資格がないことについて悪意でなおかつ過失のある共同相続人は、相続回復請求権の消滅時効を援用する権利は有りません。

理由(1)自分の相続分を超えている部分については、表見相続人による相続財産の侵害と何ら変わりませんし、相続権の争いの早期の解決が必要であることは、共同相続人相互の間での争いの時とそうでない時は何ら変わりません。
(2)自分は相続人ではないと知りながら相続人であると嘘をつき、または、相続権があると他人に信じてもらえるような合理的な理由のないのに、相続人であると主張して、相続財産を占有及び管理することで、相続財産を侵害している者は、自分の相続財産侵害行為を相続に名を借りて正当化しようとするものであって、実質的には一般の財産侵害者や不法行為者と何ら変わらないので、相続回復請求権の適用の範囲には含まれません。

4、原告となる人

遺産の占有を失っている本当の相続人です。
(質問)相続分の譲受人は如何ですか?
(回答)相続分の譲受人も、最高裁判例によって、相続人に準じて、相続回復請求権
を、行使できるとされています。

5、被告となる人

表見相続人に限られます。
(質問)表見相続人から、相続財産を得た第三者(第三取得者)は如何ですか?
(回答)最高裁判例は、第三取得者への返還の請求は、本当の相続人の所有権による
請求権で、相続回復請求権には当たらないとしています。

6、行使の仕方

(質問)訴えの方法でなければなりませんか?
(回答)必ずしも訴えでなくて構いません。裁判外の請求であっても、催告になりま
すので、消滅時効が中断することになります。

7、相続回復請求権の効果

本当の相続人が該当する相続財産を占有したり、支配することが正当であるということが相手方との関係において確定するので、相手方は請求する人の請求の内容に従い自分の占有し、支配している相続財産の引渡や所有権移転登記抹消手続等に応じなければなりません。

8、相続回復請求権の消滅

相続回復請求権には、期間の制限があり、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害されたことを知った時から5年で時効消滅します。時効の起算点は、自分が又は自分も本当の相続人であることを知り、なおかつ自分が相続から除かれていることを知った時点をいいます。
相続開始から20年経過したら、無条件で時効消滅しますので、注意が必要です。

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