相続放棄の事例

【Aさんの場合】

〜相続人の自己破産によって被相続人の負債が発覚したケース〜

お父さんは借金は嫌いだったはずなのに・・・

Aさんのお父さんが4年前に死亡しました。お父さんの相続人はAさんとお母さんとお兄さんの3人でした。しかし、お父さんは不動産も自動車も所有しておらず、銀行の預金が僅かばかりあるだけで、その預金もお父さんの葬儀費用に充てると全く無くなってしまいました。Aさんを含めた家族は、お父さんが他人から借金していることはないだろうと思っておりました。お父さんは裕福ではありませんでしたが、他人から借金をすることは嫌いな性格だったからです。

お兄さんの自己破産は関係ないとおもっていたが・・

お父さんの死亡から2年半経ったある日、Aさんはお兄さんから「自己破産する」と伝えられました。お兄さんは会社をリストラされ、住宅ローンの返済が困難になっていました。さらに生活費のために消費者金融から借りた借金が膨らみ、とても返済ができない状況になっていました。Aさんは、お兄さんから「母さんやAに迷惑はかからないようにする」と言われたので、特に気には留めていませんでした。

お兄さんから「自己破産する」と伝えられてから1年半経過したある日、お兄さんの住宅ローン借入れ先の銀行から返済を求める請求書がAさんの下に届きました。Aさんは、お兄さんから「迷惑はかからないようにする」と言われていたし、何より自分には法的な支払義務は無いはずだと銀行に文句を言うため電話をしました。その時、担当の銀行員から次のとおり伝えられました。

父の住宅ローンの連帯保証人に兄が?

「確かに、Aさんの言われるとおりです。当行とAさんの間には何の契約関係もありません。しかし、お父さんがお兄さんの住宅ローンの連帯保証人だったのです。お父さんが亡くなっている以上、お父さんの連帯保証債務は相続人であるAさんとお母さんとお兄さんに引き継がれます。」

Aさんは、お父さんがお兄さんの連帯保証人であったことを初めて知らされ、すぐにお母さんやお兄さんに確認しました。お母さんはその事実を知りませんでしたが、当然ですがお兄さんは知っていました。お兄さんは、「父さんが死んだ時点で連帯保証の契約は無効になる」と思っていたようでした。お兄さんはすでに自己破産しているので支払義務はありませんが、Aさんとお母さんには支払をしなければなりません。

死亡してから3ヶ月以上たっているが相続放棄できるのか?

Aさんは救いを求めるような気持ちで「相続放棄」についてインターネットで検索し、司法書士事務所に電話相談をしました。司法書士から民法の原則では被相続人(ここではお父さんのこと)の死亡を知ってから3ヶ月以内に相続放棄の申し立てをする必要があるが、Aさんのケースなら家庭裁判所の裁判官が十分認めてくれる余地があるとのことでした。その後、Aさんとお母さんは電話相談に乗ってくれた司法書士事務所に依頼をし、無事に相続放棄手続を完了させました。

本事例は、被相続人が連帯保証人であったため、負債の存在が非常に不明瞭であったというケースです。連帯保証人が死亡しても、連帯保証人としての責任は相続人に引き継がれます。

 

※上記の事例はフィクションであり、当事務所にご依頼頂いたお客様から聴取した実際の事例ではありません。

 

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